大阪で本町駅から徒歩5分にある乳腺外科クリニック

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1日5名様まで即日乳がん検診可
基本、結果は当日にご説明致します。
大阪市乳がん検診(超音波、マンモグラフィ)が可能です。

症状と疾患

乳房の症状別

ここでは乳がんの基礎知識について簡単に解説します。

◆しこり

・しこりには、良性のもの(乳がんではない)と悪性のもの(乳がん)があります。
・良性のしこりとしては、乳腺症による正常な乳腺がしこり様にかたくさわるものや、のう胞(液体のたまり)、線維腺腫、葉状腫瘍などがあげられます。
① 乳腺症
② 線維腺腫
③ 葉状腫瘍

◆痛み・はれ

・乳房の痛みは、ほぼ全ての女性に認められます。
・乳房は閉経前後にかかわらず、女性ホルモンの影響を受けています。
・このホルモンの影響で痛みを感じたり、はれを感じたりしますが、これらの症状は乳がんと直接関係ないことがほとんどであり心配はいりません。
・ただ、痛みやはれが気になって受診し、偶然に乳がんが発見されることもありますので、気になることがあればすぐに専門医療機関を受診してください。

◆赤み・ほてり

・乳房が赤くはれる場合は、乳腺炎を起こしていることが考えられます。
・乳腺炎の原因は、授乳中であれば乳汁のうっ滞がまず考えられます。陥没乳頭がある場合には細菌感染が考えられます。膿瘍(うみのたまり)が出来ていることもあります。
 ただし、乳がん(炎症性乳がん)による場合もありますので注意が必要です。
・いずれにせよ、迅速な診断と治療が必要になりますので、すぐに来院してください。(膿瘍形成している場合には、局所麻酔下に切開排膿が必要です)

◆乳頭分泌

・乳房の機能として小葉という場所で乳汁を作り、乳管という管で乳汁を乳頭まで運びます。
・乳頭には15~20の乳管が開口しています。その乳管から、①どのような性状の分泌物が出るか、②いくつの乳管から分泌があるのか、などが良悪性の診断に重要です。
①・性状としては、無色・白色・暗赤色(血性)などがあります。
☆無色:乳がんとはまず関係ありません。
☆白色:もともと乳房には乳汁を作る機能がありますので、授乳中でなくてもホルモンの影響でごく少量の乳汁は作られています。ただ、多くの乳汁が分泌される場合には、他の病気が潜んでいる可能性がありますので、血中のホルモン値(プロラクチン濃度)を測定したり、頭部MRI検査で脳下垂体を調べたりすることが必要です。
★暗赤色(血性):赤い血液や、黒っぽい血液が乳頭から分泌される場合には注意が必要です。乳がんが出来ている可能性がありますので、出てきた乳頭分泌液をプレパラートというガラスの板にふき取り顕微鏡で調べる捺印細胞診が必要です。
②・複数の乳管から分泌物が認められる場合(多孔性)は、ほぼ心配いりません。
・一つの乳管から分泌物が認められる場合(単孔性)は、責任乳管が存在することになり、その責任乳管内に何らかの異常があることが考えられますので針生検(組織診)などの精査が必要です。

◆皮膚や乳頭のひきつれ・くぼみ

A:乳房の皮膚にひきつれやくぼみが認められるときや、乳頭のひきつれが認められるときは、皮膚や乳頭の下に乳がんが潜んでいる可能性がありますので注意が必要です。

◆腋窩(わき)のしこり・はれ

・腋窩(わき)にはリンパ節や脂肪・血管・神経などがあります。一番よく触れるのはリンパ節です。
・リンパ節は正常でも認められ、腕や胸に炎症が起こると大きくはれることがあります。
・気を付けなければならないのは、乳がんがリンパ節に転移して腫れている場合があることです。この場合には、超音波(エコー)検査である程度診断できます。
・またリンパ節自体のがんの可能性(悪性リンパ腫)もあります。
・その他に、副乳という乳房以外の場所に異所性に存在する乳腺組織がはれてくる場合もありますし、皮下の脂肪をかたまりとして触れる場合もありますので専門医師にご相談ください。

◆皮膚の硬化(かたくなる)

・乳房は思春期より急速に成長しふくらんできます。
・乳汁を作る小葉というかたい組織が、年齢と共に次第にやわらかい脂肪に置き換わるため、年と共に乳房もやわらかくなっていきます。
・もともとやわらかかった乳房が急にかたくなってきた場合には、乳がんが原因である可能性があるため注意が必要です。

◆乳房の左右サイズの変化

・乳房にはもともと左右差があるものです。
・ただ、左右の大きさに極端な差がある場合や、急に左右差が認められるようになった場合には、乳房に病気が潜んでいる可能性がありますので専門医療機関を受診してください。

何か気になる乳房の症状があれば、一人で悩まずにすぐに専門医師にご相談ください。

乳腺の良性疾患について

乳腺に関しては乳癌が最も心配ですが、乳癌でなくても以下のような良性疾患名を告げられ、どんな病気なのか心配になることがあると思います。
ここでは一般的によくある良性の乳腺疾患について簡単に解説します。

①乳腺症

乳房の腫瘤、硬結、疼痛または乳頭分泌などの諸症状を主訴とする乳腺良性疾患の総称です。
ほとんどが乳がんとは無関係です。主症状の多くは自然軽快するので心配はいりません。

◆原因について

ホルモン、特にエストロゲンの過剰状態が原因と考えられています。
 

◆特徴

・乳頭分泌は、性状はさまざまで、両側性、多孔性にみられることが多いです。
・視触診では、境界不明瞭な腫瘤ないし硬結として触知します。そして両側性に認められることが多いです。
・マンモグラフィ所見としては、乳房全体がびまん性高濃度として写ることが多いです。乳腺症に伴う石灰化は、微小円形ないし淡く不明瞭な石灰化として両側・びまん性または散在性に描出されることが多いです。
・超音波検査では、両側、びまん性に豹紋状陰影を呈することが多いです。

◆注意点

カフェイン、ニコチン、脂肪は乳房痛の原因となるため摂取制限により症状緩和が期待できます。また、適切な下着着用も有効です。

◆治療法について

・治療対象になるのは乳房痛のみです。
・乳房痛は基本、経過観察が第一選択です。
・乳房痛に対する治療薬としてダナゾール(商品名:ボンゾール)のみ保険適応です。
・乳房痛の対症療法として、消炎鎮痛剤で一時的に疼痛管理を行うこともあります。また、漢方薬も有効なことがあります。


②線維腺腫・葉状腺腫

共に混合腫瘍(結合織成分と上皮性成分)に分類され、よく似た腫瘍と考えられますが、いくつかの点で相違点を認めます。

1.線維腺腫

癌化する確率は0.02%で非常にまれですので心配はいりません。

◆特徴

15~35歳の女性に最も多く認められます。
通常は2~3cmになるとその増殖は止まり、16~59%は自然退縮していきます。自然退縮しなかった約5%だけが増大します。

◆原因について

経口避妊薬、妊娠、他のホルモンの刺激の影響を受けてサイズが増大する傾向があります。

◆診断方法について

超音波検査で比較的特徴的な画像を呈しますが、確定診断は穿刺細胞診や組織診などの針生検で決定します。

◆治療法について

・触診および画像所見より線維腺腫が疑われた場合、3cm以下、40歳未満であればまず穿刺細胞診を行います。そして線維腺腫と確定診断されれば経過観察でOKです。経過観察中に増大してきた場合には、葉状腫瘍や癌を除外するために針生検(組織診)を行う必要があります。
・3cm以上の場合には、葉状腫瘍の可能性や乳癌を誤診している可能性があるため針生検(組織診)を行う必要があります。
・線維腺腫と診断された場合でも、3cmを超えていると葉状腫瘍の可能性も否定できないため、一般的には摘出生検が勧められます。
 つまり、3cmを超えているかどうかで診断方法や治療法が変わってきます。

◆巨大線維腺腫とは

10cm以上の線維腺腫で、線維腺腫の0.5~2%を占め、若年性線維腺腫とも呼ばれています。急速に成長しますが、通常は無痛性です。治療は外科的切除が基本です。

2.葉状腫瘍

葉状腫瘍は、組織学的に良性、境界型、悪性に分類され、50%以上が良性で、約25%が悪性です。
良性および境界型の多くは手術だけで治癒します。
局所再発は、一般的には初回切除より2年以内に起こりますが、悪性は再発までの期間が短いです。
悪性葉状腫瘍の遠隔転移は13%~40%で肺に最も多く、5年生存率は約60~80%です。

◆特徴

・全乳房腫瘍の1%未満です。
・多くは35~55歳の女性に発症します。
・触診上の特徴は、表面平滑、多結節性、境界明瞭な可動性良好で無痛性の腫瘤です。
・マンモグラフィ検査では、境界明瞭で辺縁平滑な腫瘤陰影が分葉状に認められます。
・超音波検査では、辺縁性で分葉状の腫瘤として認められ、内部は多彩な像を示します。
・これらマンモグラフィや超音波検査で良悪性の質的診断をすることは困難です。

◆診断方法について

穿刺細胞診は偽陰性率が高く、診断制度としては低いです。針生検(組織診)が有効です。しかし、針生検でも25~30%の偽陰性を認めるので、急速に増大してきた場合には、切除生検を検討する必要があります。

◆治療法について

・標準的治療は外科的切除です。広範囲切除か乳房切除が推奨されています。
・腋窩リンパ節移転を認めることはまれですので、通常必要はありません。
・内分泌療法は推奨されません。

以上のように線維腺腫と葉状腫瘍はよく似た腫瘍ですが、線維腺腫は癌化することは非常にまれなのに対して、葉状腫瘍は切除後も局所再発しやすく、悪性の場合は転移もしますので、組織診による診断をもとに個別の対応が必要です。

乳腺線維腺腫の悪性化について

線維腺腫が悪性化することは非常に稀とされています。しかし、上皮成分の中にADH(異型性乳管過形成)やALH(異型性小葉過形成)を伴うことがあり、乳癌の発生母地となり得ます。
・このような病変は線維腺腫内癌と定義され、一般には癌が線維腺腫内に限局するものや周囲組織に癌を認めても少量の場合に使用されています。

線維腺腫内癌

線維腺腫内癌は非常に稀です。発生頻度は線維腺腫の0.02%~0.3%です。
・好発年齢は、線維腺腫の好発年齢(15~35歳)と比べてやや高齢で40歳台です。
・癌の組織型は、本邦では乳管癌が73%と多くを占め、その半数は非浸潤癌であったと報告されています。
・特徴的な所見に乏しく、術前診断が困難なことが多いです。
・線維腺腫の診断から摘出手術までの平均期間は61.2ヶ月、平均腫瘍径は24.6mmと報告されています。
・臨床症状は通常の線維腺腫同様、腫瘤触知が多く、腫瘍の増大・疼痛を認めることもありますが、いずれも特徴的な症状ではありません。
・画像所見ではマンモグラフィでの微細石灰化を伴う症例や、エコーでの縦横比の増加、辺縁の変化を伴う症例などは術前に診断できることもありますが、細胞診の正診率は38.5%であり、最も有用な診断法は摘出生検であると結論付けられています。
・したがって、線維腺腫は定期的にフォローし、年齢・臨床所見・画像所見・所見の変化の有無などを総合的に判断し、組織診や摘出生検を随時検討する必要があります。
・手術治療については、通常の乳癌と同等の手術が行われることが多いです。
すなわち、センチネルリンパ節生検を含む乳房部分切除術もしくは乳房切除術です。
予後は非浸潤癌症例の割合が多いため良好であることが予想されますが、23.8%の症例で腋窩リンパ節転移を認め、局所再発・乳房内再発・遠隔転移の報告もありますので、部分切除術症例には温存乳房への術後放射線照射を、浸潤癌症例ではsubtypeを考慮した術後薬物療法も必要となってきます。

当院では画像上、良性の腫瘍を疑った場合でも、10mm以上の症例に対しては出来るだけ細胞診を施行し、必要に応じて組織診を追加しています。また、結果的に良性腫瘍であっても、定期的なフォローを心掛けています。