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院長コラム

【No.2】女性の生活習慣病について

 

皆さんは女性の生活習慣病についてご存知ですか?
ここでは女性特有の生活習慣病について簡単に解説します。
何か気になることがあれば、お気軽にご相談くださいね。

女性における脳・心血管病と生活習慣病との関連はあるのでしょうか?

女性の死因別死亡率(人口10万対)は、1位:悪性新生物(89.7)、2位:心疾患(37.0)、3位:脳血管疾患(23.3)であり、脳・心血管病は日本人女性の死因の多くを占めています。女性において、急性心筋梗塞の罹患率は50~60歳頃から増加します。

また、脳卒中・心筋梗塞による年代別死亡率では、70歳以降急に増加します。
女性は50代から脳・心血管病の発症が増加し、これは閉経後のエストロゲン減少と関連していると推測されています。

脳・心血管病のリスク因子である生活習慣病も同様の傾向が見られます。
女性の高血圧症有病者の割合は経年的に増加し、50代で34.7%、60代で57.7%、70歳以上では75.9%にもなります。
糖尿病が強く疑われる女性の割合も50代で5.5%、60代で11.5%、70歳以上で17.6%と増加します。
肥満者の割合も40代までは10%台ですが、50歳以降は20%台となります。

以上のように、女性は50代から生活習慣病や脳・心血管病が増加していくため、閉経前までは「女性ホルモンにより守られている」訳です。つまり、将来の脳・心血管病予防のためには生活習慣病の管理が必須であると言えます。
では、妊娠合併症と将来の生活習慣病との関連はあるのでしょうか?

 

妊娠・出産経過が将来の生活習慣病や脳・心血管病の発症を予測すると言われています。
妊娠高血圧症候群(PIH)や妊娠糖尿病(GDM)は代表的な妊娠合併症ですが、妊娠中にこれらに罹患した女性は将来の高血圧症や糖尿病、脳・心血管病の発症リスクが高いことが分かっています。
PIHの女性は正常血圧妊娠女性と比較して将来の心血管病発症リスクが高いことが分かっています。
(高血圧症と脂質異常症の有病率も増加します)また、GDMの女性は妊娠中に糖代謝異常が確認された人で、これが将来の糖尿病や脳・心血管病の発症リスクを上昇させます。

 

つまり、PIHやGDM既往女性は、たとえ閉経前であっても高血圧症・糖尿病発症ハイリスク群であると考えられ、自身の健康管理に十分に留意する必要があります。心当たりのある女性は閉経前から注意していきましょうね。

当院では女性の生活習慣病の予防のお手伝いができるよう、今後様々な試みを試していこうと思っています。
心配なことがあれば、お気軽にご相談くださいね。女性の皆様のお役にたてるよう、精一杯頑張って参ります。